死神と少女
- 出版社/メーカー: 拓洋興業
- 発売日: 2011/07/28
- メディア: Video Game
- 購入: 2人 クリック: 26回
- この商品を含むブログ (17件) を見る
感想を書こう書こうと思いつつ、書いていませんでしたね…。
人を選ぶゲームと聞いていたのですが、プレイして序盤で納得しました。まず、主人公=自分というプレイヤーの方にはお勧め出来ませんね。主人公である紗夜というキャラクターに対して、嫌悪感を抱く人も少なくないと思いますので。あとは恋愛要素を強く求める人。そういった方には向かないゲームだと思います。どちらかというと、謎解き要素や現代だけれどどこか幻想的な世界観の物語を楽しみたいといった方には強くお勧めしたい作品です。
私個人としましては、プレイした数少ない乙女ゲーの中で一番と言ってもいい程、好きな作品になりました。全体通して馬鹿みたいに泣きました。
以下キャラクター毎に感想。
このゲームはネタバレを知ってしまうと面白さが半減してしまう可能性が高いので、閉じておきます。
- 日生光(偽)
- 一言で表現するなら、「ズルイ」。第一印象は、軽い先輩だなぁと思っていました。でも、まさか偽者だなんて思ってもいなくて見事に騙されました。嘘の塊のような存在。それでも、あとがきで、「紗夜の真実を知っても愛した」というようなことを言われていたので、そこには安心しました。紗夜が、十夜以外に依存出来る相手として選んでしまったようにしか見えないので、それはそれで可哀想だなとは思いますが。日生ルートに入ると、いきなり事後っぽい描写があるのでドンビキした人も多いんでしょうねぇ…。血を考えれば、というのもありますが、依存という形が分かりやすく現れたんでしょうね。あれだけベタベタしていた十夜も出てこなくなるし。日生と結ばれない4章のほうがしっくりとはくるんですが、言の葉を使って見える本音らしきものを見ていると、幸せにしてあげたくなります。でも紗夜は愛してる「つもり」なんだろうなぁ。報われないなぁ。なんだかんだで一番好きなキャラクターです。たっつんの演技も良かった。
- 日生光(真)
- 春夫にそそのかされたんじゃないかというぐらいにいいタイミングで現れる本当の日生光。偽者の日生に比べると子供っぽい印象。先に知り合った分、どうしても偽者と比べてしまうしで可哀想な存在だなぁと思います。自業自得といえばそうなのですが。一応エンドもあるものの、手の傷があるので、偽者っぽくも見えるようにしているのがずるいんですよね。そうなってくると本当の日生光はどうなったのか?という疑問も出てきてしまうし。元の生活が合わなくて、紗夜の知らぬ間に交代っていうのも考えられなくもないのですが、如何せんエンドに入るのがいきなりすぎて…。
- 桐島七葵
- 正直はじめは堅物であまり興味が沸きませんでした。でも、結婚相手なら桐島ですね。なんだあのハッピーエンドは!卑怯だ!プレイヤーとしては、プレイヤーを騙す要因の一人でもあるんですけども。あとがきを見ていると、別な世界があって、迷い込んできた存在のように見える物語の読み手的存在。損な役回りですよね。
- 千代
- 始めから消える存在というのは分かっていたんですが、消えるシーンでは泣きました。桐島が「千代に八千代に」から名前を付けたっていうのもまた…ね。桐島の台詞で「千代に八千代に」を聞くだけで正直涙腺が緩みます。千代は秋桜に自分を重ねた男の幻想という解釈です。
- 遠野十夜
- 誰しもがいきすぎたシスコンっぷりに驚かされると思うんですが、十夜ルートをプレイしたあとはそうなるのも理解できました。物語を進めていくと徐々におかしいなという部分は出てくるんですが、十夜ルートに入って真実が明かされていくことが面白くもあり、悲しくもあり。紗夜に作られた幻想の中の死神って…。それを知った後思い返すと、紗夜が食事をしていても食べていないし、紗夜と同じく幻想を見ることが出来る人間としか会っていないんですよね…。春夫とも会ってはいますが、春夫は紗夜を幼い頃から知っていて、遠野十夜という幻想を見ていることを知っているので例外。十夜が死神ということに気づき、紗夜は死んでしまうし十夜は消えてしまうけれど、愛し合ったまま幸せなまま終わりを迎えます。最後は生き返ったようにも見えるし、死後という幻想のようにも見えます。十夜が幻想から人間になるっていうのは難しいような気もするので、後者なのかなぁ…?ただ、愛し合っているという言葉が妥当なのかよくわかりませんね。だって十夜は紗夜の生んだ幻想で、愛されたいという欲求が形になったようなものじゃないですか?そう思ってしまうと、傍から見たら滑稽ですよね。でも紗夜が幸せならそれでいいんじゃないかなと。同じ幻想の中の人間でも、千代と十夜では成立ちが違うから難しい…。独立した個のように思えて、「俺は紗夜のものだよ」という言葉があるように紗夜の心の一部のようにも思えてしまうし。
- 蒼
- 死神と呼ばれて本当の死神になりたかった青年の話。ある意味一番厨二なんじゃないかなと思います。死神の白装束も実は幻想だったんじゃないかとも思えます。黒の章に比べると蒼の章は紗夜も蒼も春夫の思惑通り幻想から解放されて真なる意味でのハッピーエンドだとは思うんですが、これを書いている時間の経った今としてはその分印象が薄くなってしまいました…。
- 宮沢夏帆
- 可愛い。ひたすら可愛い!良き親友ですね。髪型を交換して登校する姿も可愛かったです。
- 夏目悠希
- 夏目には夏帆とくっついて欲しいです。切実に。夏目ではどうやっても紗夜を救うことが出来ないから個別ルートがないのだろうなと納得してしまったので、特に言うことはありません。そういえば、幻想としてのヴィルヘルムの中身も…夏目ってことでいいんだろうか…。
- 臥待春夫
- 優しい黒幕…というかなんというか…。始めから怪しいなとは思っていたけれど!!!
- 遠野紗夜
- 乙女ゲーの主人公か?というぐらい性格は良くはないし、十夜兄さんとベタベタしてるし、「誰かのものを奪うだなんて、汚らわしい」と言う割に、ビッチの血は争えないと言われても仕方ない子ですが、私は紗夜のこと好きですよ。佳奈様なのも非常に合っていました。なぜフルボイスじゃない…!
相変わらず感想なんだか纏まりませんがそんな感じで!!!